e.labで教育研修スタートしました!
クラウドファンディングをきっかけにうまれた「北欧の教育から学ぶe.lab長期研修」では、“幸せな自立を育む北欧の教育をベースに、南の島で地域に根差した新しい教育のカタチを模索する”研修を、教育に関心のある大学生を対象に実施しています。
これからの時代に求められる探究学習、PBLの基礎を学び、ゼロから探究学習のタネをつくることを基盤にしたこの研修は、えらぶの子どもたちといっしょに探究のタネを育みながら「これからの地域に根差した教育」を実践していくプログラムです。全国の仲間と共に学び、つくり、えらぶの子どもたちもインターン生も地域も成長していくことのできるプログラムを目指したいと思っています。教育に熱い想いを持つインターン生が11名も集まってくれました。9月からスタートした研修も明日で早くも4回目。きみちゃん・ちかちゃんがどんな研修をしているのか、そしてインターン生にどんな気付きが生まれているのかをご紹介します!
第1回 「お互いを知る時間」
この研修で大切にしていることのひとつが「自分を知ること」です。「自分を知ること」のワークでは、実際にフィンランドの学校現場で行われている「好き」をコラージュしたものを活用して、集まった仲間と自己紹介を行いました。お互いの好きなものを知ることで、共通点が見つかったり、ここから探究のタネが芽吹くきっかけになってくれそうです。
実際の研修生の声:
いろんなバックグラウンドを持ってる方が集まっていて、一人一人のお話を聞くたびにワクワクしました!このメンバーで教育について、いろんなことを考えられると思うとすごく楽しみです。大学1年生なのでまだ経験は浅いですが、先輩方のアドバイス等もらいながら頑張って行きたいと思います!
第2回 「色々な探究学習を知る」
第2回目は探究学習について考えました。フィンランドの教育現場で働きながら見てきた探究学習の事例、研修視察で訪れたオランダのイエナプランの探究学習の事例。さらにシュタイナー教育、モンテッソーリ教育、レッジョ・エミリア教育などを紐解き、さまざまなメソッドの持つ探究の要素を取り出すことで、子どもたちが主体的に学びにむかうために必要なもの、環境について考えました。今後の研修の基礎となるとても大切なインプットです。
実際の研修生の声:
子どもが探究学習を進めていく上で大人がどれくらい介入すべきかというところが一番難しいなと感じました。そして大人も子どもの学びに関わるのであれば社会の様々な方面へのアンテナを張っておく必要があると強く感じました。なぜなら子どもの多様な学びを支援するにはその多様性を受け入れられるだけの引き出しを自分の中にも持っていないといけないと考えるからです。また、これは学習理論の知識に関しても同じだと思います。きみちゃんが子どもの発達理論を学んだおかげで子育てが楽になったとおっしゃっていたように“なぜ“がわかるかわからないかでどう対応するかが変わるからです。教育は理論そっちのけで「なんとなくこれがいいと思う」というように感情で語られがちですが、色々な理論を頭に入れて子どもの状況を正確に理解し、その子どもに合った適切な方法を選択してアプローチしていくことが教育者には求められると思いました。
第3回 「探究学習を深める」
この研修で大切にしていることのひとつに「正解のない問いに向かうこと」があります。今回は、探究学習における大人の関わり方について「学びのコントローラー」を意識しながら、実際に探究学習プログラムづくりを行いました。
テーマは「海洋ごみ」。沖永良部島にはたくさんの海洋ごみが流れ着くことが大きな課題となっており、e.labでも時々週末に地域の子どもたちとビーチクリーンをしています。今回のワークショップでは、海洋ごみを教材にして、このごみがどこからきたのかを世界地図にマッピングするワークを行います。ごみを観察し、大きな世界地図をながめながら沖永良部の海が世界とつながっていることに改めて気づくことのできるワークを考える中で、大人がどんなスタンスで関わることが子どもにとってよいと言えるのか、子どもたちに学びのコントローラーを委ねることで何が起こるのかについて対話を通し、考えを深めていきました。
実際の研修生の声:
・学びのコントロール
授業やプログラムの目的が「タスクを終わらせること重視」なのか、「思考の時間重視」なのかによって学びのコントロールの度合いを変えればいいと思う。学びのコントロールを大人が持てば学びの見た目はスムーズに進むけど子供の脳みそは熱くなりにくい。子供が持てば学びのスピードは遅くなるけど子供の脳みそは熱くなる。そんな気がした。今回のプログラムは指導要領に沿わないといけないものではないので後者のスタンスでいいんじゃないかなと思う。
となると、このプログラムでの大人の役割は「とことん空気職人」
【議論のタネを与える。みんなが真剣に議論に参加できる雰囲気を作る。質問されたり、議論がよどんだりしたら情報提供などで新しい流れを生み出す。議論の足跡を残してあげる】みたいな関わり方が今回のプログラムには適しているんじゃないかなと思った。でも、書きながら思ったことだが、この【関わり方】、大学生相手なら大体うまくいく想像ができるけど、小学生相手だとどういう風なアプローチで、言葉選びで関わっていけばいいか想像がつかない。小学生の議論が活発になるような工夫ってどうすればいいんだろう。
最後に
ここまでの3回の研修でみんなで対話しながら 「探究学習における大人の関わり方」について理解を深めてきました。研修を重ねるごとにインターン生の教育観、人間観が少しずつ変化してきているのを感じます。オンラインの研修ながら、インターン生が目の前で「主体的で対話的で深い学び」を体現してくれていることをとてもうれしく思います。そして、わたしたち自身もインターン生たちからたくさんの新しい視点をもらい、学びを深めることができています。
この研修プログラムの強みは、学んだことを実践できる場を設けていることです。次の研修では、初の実践の場として「海ごみオンラインワークショップ」をえらぶの子どもたちと行います。オンラインを活用することで、 大学生と関わる機会の少ない離島の子どもたちにも多様な出会いと学びを届けることができます。
この研修を通して、オンラインを活用した多様な学びが生まれるモデルをつくりながら、これからの教育を担う若者の価値観を広げるきっかけをつくっていくことができそうです。そしてこれからの沖永良部島を担う子どもたちのより良い学びの環境をつくりながら、このモデルを周りの地域にも広げていけるといいなぁと思います。
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